電子辞書 小学校モデル 川根本町立本川根小学校
「学校情報化先進地域」認定の川根本町が、タブレットと併用して電子辞書を活用中。

川根本町立本川根小学校(取材日:2020年1月28日)

高く評価された“情報の信頼性”。ICT教育の先進地域が電子辞書を導入。

小学校 国語 外国語 電子辞書

川根本町立本川根小学校

  • 校長

    永野利晴先⽣

  • 静岡県川根本町教育委員会

    教務総務課 課⻑ 森下育昭 氏

  • 6年生担任

    駒井瞳美先生

川根本町教育委員会は、町内の小中学校の全普通教室に1台以上の電子黒板と書画カメラを、全児童・生徒や教職員にタブレット端末を配備。ネットワークへの接続を可能にするなど、ICT環境の整備を積極的に推進しています。その取り組みが評価され、町内の小中学校すべてが「学校情報化優良校」に認定。さらに、地域として「平成30年度学校情報化先進地域」に認定されました。公立学校のすべてが認定を受けている自治体は、静岡県では川根本町だけとなります。ICT環境を整える取り組みの一つとしてカシオの小学生向け電子辞書を導入いただきました。電子辞書は和英辞典をつかって英単語、ネイティブ音声、漢字を調べたりする際に活用。コンテンツの高い信頼性が情報教育にも有用と期待されています。

県内最⾼⽔準のICT環境の整備を実現した川根本町

静岡県の中央部に位置する川根本町は、90%を森林に囲まれた自然豊かな町。町の中心を南北に貫く南アルプス源流の大井川に沿って、日本で年間300日以上SLが運行される大井川鐵道が走ります。上流域に残された手付かずの自然は、大井川源流部原生自然環境保全地域に指定されています。
夢の吊橋や寸又峡温泉など、行楽シーズンを賑わす観光スポットも多数。大井川を挟むように茶園が広がる「川根茶」も名物の一つです。
また、2003年静岡国体のカヌー競技会場となり、カヌー教室やカヌー大会を定期的に開催する「カヌーの町」としての顔も持っています。

川根本町の人口は6,641人(2020年3月時点)、そのうち小中学生は200人。小規模校の特徴を生かし、町全体の学校を一つの緩やかな学校と見立て、きめ細かな取り組みを実施。一人ひとりの自立に向けた「キャリア教育」と、学校間の連携グループによる「RG授業」を柱に、子どもたちの「生きる力」の育成と「確かな学力」の定着を図っています。

また、教育の情報化をテーマに掲げ、中山間地のモデルとなるようなICT教育を実践。全家庭に光ファイバーを敷き、安定した接続環境を構築。タブレットも小中学生に1人1台支給し、学校ではもちろん、2019年度には家庭に持ち帰らせて活用を広げています。ソフトウェアについても、クラウド上に全校の教材と学習の履歴を保存できる学習プラットフォーム「川根シード」を開発。画面を全員で共有したり個別にドリル学習ができる教科指導用ソフト「ミライシード」を活用したりしています。教材の開発や授業のサポートをするICT支援員に加え、校務支援システムも導入し、教員の業務効率化にも積極的に取り組んでいます。

ICT教育の重要性は認識しつつも十分な予算確保ができていない自治体がある中、川根本町のICT環境は県内最高水準。その取り組みの一環で、カシオの小学生向け電子辞書 XD-SK2800は導入されました。電子辞書の導入について川根本町教育委員会 教務総務課 課長 森下育昭氏はこう述べます。

「電子教材の表示デバイスとして、また調べ学習の情報取得ツールとしてタブレットを有効活用しています。しかし、外国語の英単語を調べるといったときには、情報の信頼性において電子辞書が適しています。適材適所で使い分け、より効果的な学びにつなげたいという考えで電子辞書を導入しました。」(森下氏)

疑問をすぐに解決できる電子辞書。
外国語や国語の授業に活用

電子辞書が配備された小学校の一つ、川根本町立本川根小学校。「ふるさとを愛し未来を拓く本小っ子」という学校教育目標のもと、地域と連携しながら子どもたちの心を豊かに育む教育に力を入れています。

「川根茶を淹れる体験やヨガの体験教室などを総合的な学習や生活科の中に組み込んでいます。また、保護者や地域の方が学校運営に参画するコミュニティスクールについても実現に向けて検討を重ねているところ。社会に開かれた教育課程を編成しています。」(永野校長先生)

本川根小学校では、5・6年の外国語や国語の授業において、英単語の意味・発音やわからない漢字を調べるといった用途に電子辞書を活用しています。「知りたいことがすぐに調べられて便利です。電子辞書を通して、子どもたちが最後まで学ぼうという気持ちが育まれています。」と話すのは、6年生の担任である駒井瞳美先生。

「例えばテストで間違ってしまったとき、なぜ間違ったのかを自分で調べて直してもらうのですが、以前はドリルなどを見直して時間がかかってしまい、途中で諦めてしまう子もいました。電子辞書ならすぐに検索できるので、最後まであきらめずに頑張ってくれるようになりましたね。」(駒井先生)

外国語の授業「My Best Memory」。春は入学式、夏はカヌー体験、秋は修学旅行、冬は避難訓練と、1年間の思い出を写真と英語で表現します。

英単語の検索に電子辞書を活用。すぐに調べられるので、調べる意欲が高まります。

先生同士で情報を共有し、活用のさらなる促進を

ICT環境の整備が進んでいる本川根小学校ですが、今後もさらに新しい取り組みを実践していきたいと永野校長先生は話します。

「次年度は遠隔授業に力を入れていきたいですね。小規模の学校なので先生は子どもたちを丁寧に見てあげられますが、対話的な学びをさらに展開していくためには多くの人と関わる必要があります。他の自治体の小学生と一緒に授業をすることで、視野を広げ、理解を深めてもらいたいと思っています。」(永野校長先生)

電子辞書については、特徴の一つである発音機能をもっと活用していきたいとのこと。また、現在は5・6年生から電子辞書を使用していますが、それを3年生からとしたり、使う教科を広げたりするなど活用シーンを増やしたいともおっしゃっています。

「電子辞書は、学習と関係ないコンテンツを閲覧する可能性もありませんし、もっと普段使いするようになってもいいのではと考えています。そのためにも、まずは先生たちに活用してもらい、良さを感じてほしいですね。先生同士で情報共有などを積極的に行い、使いこなせるようになれば、子どもたちにもその良さや使い方を伝えることができますから。」(永野校長先生)

記事制作協力:株式会社アドワークス